
ビットコイン8,000BTC保有でも株価下落…アメリカン・ビットコイン、ナスダック上場廃止の危機の中で株式併合を実施
エリック・トランプ氏が共同設立したアメリカン・ビットコイン(ABTC)は、ナスダックの上場規定を遵守するため、15対1の株式併合を実施した。同社のビットコイン保有量は8,000BTCを突破し成長を見せているが、資本市場における株価の不安定さは依然として課題として残っている。
共同設立者のエリック・トランプ氏が8,000 BTC保有という企業の節目を祝う中、アメリカン・ビットコイン(ABTC)はナスダックの上場地位を守るための大規模な構造再編に着手した。同社は2026年7月2日、株価を人為的に浮揚させ上場廃止を回避するため、15対1の株式併合を実施した。この動きは、デジタル資産保有量の増加と、実際の株式市場における企業価値との間で深まる乖離を如実に示している。
今回の株式併合は、2026年7月2日午後5時(東部標準時)をもって効力が発生した。株式併合の数学的原理に基づき、既存の15株は新株1株に統合され、これは発行済株式総数を減らす代わりに1株当たりの価格を高める効果をもたらす。会社側は、今回の措置が株式のボラティリティを緩和し、機関投資家のアクセシビリティを高めることに寄与すると説明している。
「我々は米国のビットコイン・インフラの屋台骨を構築するビットコイン蓄積プラットフォームとして、今回の株式併合はナスダックの上場要件を維持し、長期的な株主価値を保護するために不可欠な決定である。」
アメリカン・ビットコインの今回の決定は、ナスダックの厳格な上場維持条件に伴う防御的措置である。同社は株価が長期間1ドル未満に留まったことで、ナスダックから上場廃止の警告を受けていた。今回の併合を通じて株価を規定値以上に引き上げることで、上場適格性を再確保しようとする意図が明確である。
ナスダック上場規定遵守のための死闘
ナスダック上場規定5810(c)(3)(A)によると、上場企業の株価は最低入札価格である1ドル以上を維持しなければならない。アメリカン・ビットコインは、2026年上半期を通じて続いた株価下落により、この基準を満たせない危機に直面していた。同社は180日の猶予期間内に株価を回復させる必要があり、株式併合(リバース・ストック・スプリット)が最も即効性のある解決策として選択された。
- 2026年7月2日:15対1の株式併合が効力を発生し、株式併合が完了。
- ナスダック上場規定:最低入札価格が1ドル未満の場合、上場廃止のリスクが発生。
- 財務戦略:ビットコインの買い増しを継続すると同時に、資本構造の最適化を試行。
株式市場での苦戦にもかかわらず、アメリカン・ビットコインのビットコイン保有量は堅調な成長を見せている。2026年7月7日、エリック・トランプ氏は自身のソーシャルメディアアカウントを通じて、同社が計8,000 BTCを保有するに至ったと発表した。これは最近500 BTCを追加購入した結果であり、現在の価値で約5億400万ドルに達する規模だ。
このような大規模な資産保有により、アメリカン・ビットコインは世界の企業別ビットコイン保有ランキングで20位圏内にランクインした。これは、ギャラクシー・デジタル(Galaxy Digital)やジェミニ・スペース・ステーション(Gemini Space Station)といった主要な暗号資産企業の保有量を上回る水準である。しかし、このような「スタッキング(Stacking)」戦略が株価収益率に直結していない点が、投資家の懸念を呼んでいる。
ビットコイン保有量と株価の間の逆説
専門家たちは、いわゆる「1株当たりビットコイン(BTC-per-share)」価値の成長が株価プレミアムにつながらない現象に注目している。アメリカン・ビットコインは、ビットコイン購入資金を調達するために負債を発行したり、新株を発行したりする手法をとってきた。この過程で発生する株式の希薄化と負債の負担が、ビットコインの資産価値の上昇分を相殺し、株価に下押し圧力を加えたものと分析される。
類似の事例として、ビットコイン・デポ(Bitcoin Depot)は2026年5月にナスダックから上場廃止の通知を受けた後、最終的に市場から退出した。一方、マイクロストラテジー(MicroStrategy)のような大手企業は、強力な市場支配力を背景に指数内での地位を維持している。ABTCの今回の株式併合が、ビットコイン・デポのような二の舞を避けるための苦肉の策であるとの評価が出ている理由だ。
今後の展望と投資家の注目ポイント
アメリカン・ビットコインの長期的な行方は、ビットコイン市場のパフォーマンスと同社の負債管理能力にかかっている。株式併合を通じて技術的に株価を押し上げることに成功したが、本質的な企業価値の向上なしには、再び1ドル未満に転落するリスクが残っている。特に2026年後半の暗号資産市場の変動が、株式市場の信頼性にどのような影響を与えるかが鍵となる。
結論として、アメリカン・ビットコインはデジタル資産の積極的な蓄積と資本市場の規制遵守という二兎を追わなければならない状況にある。エリック・トランプ氏が主導する「ビットコイン・インフラの中枢」というビジョンが、実際に株主への利益として還元されるのか、それとも構造的な限界に直面するのか、市場の注目が集まっている。



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