
ハイパーリキッド・ポリシーセンターとファントム、CFTCのオンチェーンプロトコル規制手法に正面から異議を唱える
ハイパーリキッド・ポリシーセンターとファントムは、米商品先物取引委員会(CFTC)に対し、オンチェーンプロトコルを従来のブローカーや取引所として扱わないよう強く求めた。両者は、スマートコントラクトと人間の仲介者の技術的な違いを認める、新しい規制枠組みを要求している。
2026年7月9日、ハイパーリキッド・ポリシー・センター(HPC)とファントム(Phantom)は、米国商品先物取引委員会(CFTC)に対し、オンチェーンプロトコルを既存の「ブローカー」や「取引所」の定義に当てはめようとする試みを中止するよう求める共同声明を発表した。今回の介入は、6月中旬に連邦政府が発表した金融イノベーションに関する情報提供依頼(RFI)への回答であり、分散型金融(DeFi)の非カストディアルな特性を保護しようとする業界の取り組みが一層強化されたことを示している。
オンチェーンプロトコルは本質的に従来の仲介者とは異なり、これらを既存の規制枠組みに強制的に適用することは、技術的な現実を無視するものである。
HPCとファントムはCFTCに提出した書簡の中で、スマートコントラクトベースのプロトコルが人間の仲介者と同じ責任を負うことはできないと強調した。両者は、非カストディアル型ソフトウェアの開発者が顧客資産を直接管理していないことを理由に、彼らに従来の取引所と同じ規制遵守義務を課すことは不合理であると主張した。これは、技術的中立性を維持しつつ、イノベーションを阻害しない規制環境を構築すべきであるという業界の一貫した声を反映している。
2026年の規制変化のタイムライン
2026年上半期は、暗号資産の規制環境において急激な変化が起きた時期であった。特に3月17日に証券取引委員会(SEC)とCFTCが発表した共同解釈は、ビットコインとイーサリアムを非証券デジタル商品として分類し、新たな規制の基盤を築いた。この分類は、ネットワークが十分な分散化を達成した際に規制の性質が変化し得るという「動的分析」の原則に基づいている。
- 2026年3月17日:SEC-CFTC共同解釈の発表およびPhantomに対する「ノーアクション・レター(No-Action Letter)」の発行。
- 2026年5月5日:マイケル・セリグCFTC委員長、非カストディ型ソフトウェア開発者保護のための規則制定を提案。
- 2026年6月中旬:CFTCとSEC、金融イノベーションに関する共同情報提供要請(RFI)を発行。
- 2026年7月9日:HPCおよびPhantom、オンチェーンプロトコルのブローカー分類停止を求める書簡を提出。
今回の論争の核心的な背景には、去る3月17日にPhantomが受け取ったノーアクション・レターがある。当時、CFTCの市場参加者部門は、Phantomの非カストディ型ウォレット活動に対して強制執行を勧告しないと表明したが、これには厳格な条件が付されていた。PhantomはCFTCの管轄権を認めなければならず、プロトコル違反事項について「連帯責任(Joint and Several Liability)」を負うことに合意する必要があった。
業界は、このような「取引」方式の規制が、長期的には分散型インフラの生存を脅かすと見ている。開発者にプロトコル全体の違反事項に対する無限責任を問う方式は、米国内のイノベーションを阻害し、ソフトウェア開発自体を萎縮させる可能性があるとの懸念が提起されている。HPCとPhantomは、このような連帯責任モデルが非カストディ型サービスの本質と相反すると指摘した。
技術的差別性:プロトコルと仲介者の分離
HPCは3月17日の共同解釈で言及されたヒンマン原則を引用し、ネットワークの技術的構造に応じた差別化された規制が必要だと主張した。彼らは、非カストディ型ソフトウェア開発者を、資産をカストディ(保管)するブローカーと同じ基準で評価すべきではないという点を明確にした。ソフトウェアコードは、仲介者の主観的な判断が介在しない自動化されたツールであるという論理だ。
マイケル・セリグCFTC委員長は去る5月5日、非カストディ型ソフトウェア開発者のための保護措置を明文化する規則制定を検討中であると言及した。これは3月のノーアクション・レターに基づきつつ、より公式な法的保護手段を設けようとする試みと解釈される。しかし、業界は単なる保護を超えて、オンチェーンプロトコルに対する根本的な定義の再確立を求めている。
このような動きは、HyperliquidとParadigmが財務省のGENIUS法案の提案に対して共同意見書を提出したことと軌を一にする。業界は、米国市場の参加者がパブリックブロックチェーンベースの分散型市場に安全にアクセスできることを保証するため、統一戦線を形成している。これは、規制当局がオンチェーン技術固有の特性を理解するよう圧力をかける戦略の一環である。
結論として、現在の葛藤はオンチェーン・コンプライアンスという新しいモデルと、伝統的な法執行方式の間の緊張を反映している。CFTCがセリグ委員長の提案した規則制定へと進むのか、それとも既存のノーアクション取引モデルを固守するのかが、今後のオンチェーンプロトコルの運命を決定する鍵となる見通しだ。業界は、技術的な現実を反映した明確な法的基準が設けられるまで、声を上げ続けるものと見られる。



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