
米上院、FTX創設者サム・バンクマン=フリード氏の恩赦に反対する決議案を全会一致で可決…超党派の強力な警告
米上院は2026年7月16日、FTX創設者サム・バンクマン=フリード氏に対する大統領の恩赦や減刑に反対する決議案を全会一致で採択し、超党派による法の支配を守る意志を表明した。
2026年7月16日、米上院はFTX創設者のサム・バンクマン=フリード(SBF)氏に対し、いかなる形の大統領恩赦や減刑も認めてはならないとする決議案(S.Res.772)を全会一致で可決した。激しい政治的分断の中でも、上院議員全員が一致団結したことは極めて異例のことと評価されている。
サム・バンクマン=フリード氏は、いかなる状況においても、大統領恩赦や減刑を含む行政的な寛大措置を受けるべきではない。
今回の決議案は、SBF氏が最近、政府に恩赦を求めたことに対する立法府の直接的な対応である。上院は、法の支配を擁護し、米国の金融システムの完全性を維持するために、このような決定を下したと述べた。
超党派の協力により誕生したS.Res.772
この決議案は、「ビットコイン上院議員」として知られる共和党のシンシア・ルミス(Cynthia Lummis)議員と、民主党のルーベン・ガレゴ(Ruben Gallego)議員が共同で提出した。両氏の協力は、暗号資産(仮想通貨)業界の犯罪行為に対し、政党を超えて厳格に処罰する意志を示している。
- シンシア・ルミス(共和党、ワイオミング州)上院議員:暗号資産規制および業界保護の第一人者として、SBFの行為を強く批判した。
- ルーベン・ガエゴ(民主党、アリゾナ州)下院議員:金融犯罪に対する厳格な法執行と被害者保護を強調した。
ルミス議員は、SBFが引き起こした金融的災厄が、数多くの投資家に拭い去ることのできない傷跡を残したことを強調した。ガエゴ議員もまた、金融システムの信頼を回復するためには、司法の正義が損なわれてはならないという立場を明確にした。
決議案の採択過程において、反対意見は一票も出なかった。これは、SBFの行為が米国経済と市民に与えた害悪について、政界全体が深い共通認識を形成していることを示唆している。
控訴棄却から決議案通過までの経緯
今回の事態の発端は、2026年6月12日にSBFの法的控訴が最終的に棄却されたことから始まった。控訴棄却の直後、SBF側は行政的救済手段である大統領恩赦を試みたとされており、これが議会の即座の反発を招いた。
上院はSBFの恩赦の試みに迅速に反応した。控訴棄却からわずか5日後の2026年6月17日、ルミス議員とガエゴ議員はS.Res.772を正式に発議し、立法府としての強力な反対の意思を表明した。
その後、約1ヶ月間の検討を経て、2026年7月16日に上院本会議で全会一致(Unanimous Consent)により最終可決された。これは、司法の判決を尊重し、行政による恣意的な権限行使を牽制しようとする上院の意志が反映された結果である。
道徳的責任と憲法的限界
決議案は、SBFが自ら招いた金融的破滅に対して真の反省を示していないことを明示した。上院は、彼の有罪判決が金融市場の透明性を確保するために不可欠な要素であると規定した。
ただし、今回の決議案は「上院の意見(Sense of the Senate)」を表明する非拘束的(Nonbinding)な措置である。米国憲法第2条に明示された大統領の恩赦権自体を法的に制限することはできないという憲法上の限界が存在する。
それでも、上院全体の満場一致の決議は、ホワイトハウスにとって相当な政治的圧力として作用する見通しだ。現在、政権はSBFの恩赦に対して否定的な立場を堅持しているが、今回の決議案は、今後発生し得るあらゆる恩赦の可能性を根源的に封じ込めようとする布石であると解釈される。
暗号資産(仮想通貨)業界と公共部門は、今回の決議案の通過をFTX事件の法的攻防が終結する象徴的な出来事として受け止めている。市場関係者らは、政界のこのような断固とした態度が、今後の暗号資産関連の規制立法にも肯定的な影響を及ぼすと見ている。


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